今回は番外編で小児や呼吸分野の話ではありません。
ズバリ!”杖の持ち方”についてです!
職業柄、街中で杖を使用している方を見かけると注視してしまいます。
そこで気になるのが、意外にも間違った持ち方をしている方が多いということ。
病院で処方された場合、医師やPTなどから杖の持ち方や高さの合わせ方の指導があります。
しかし、そうでない場合は間違った方法で使用する場合があるのかもしれません。
杖はホームセンターやショッピングモール、百貨店、ダイソーなどたくさんの場所で売られていますからね。
今回はそんな杖について、街中でよく見かける間違った持ち方や基本的な高さの合わせ方についてお伝えします。
杖は気軽に取り入れることができる補助具です。
シンプルながら、その役割は大きいのできちんとした状態で使用していただきたいと思います。
今回はよく使われるT字型の杖についてお話します。
杖の正しい向き
さて、みなさんは杖の正しい向きをご存知でしょうか?
おそらく、多くの人は正解できる質問だと思います。
杖の持ち手部分を見てください。長い方が手前、短い方が前方を向くカタチになります。
つまり短い方は常に進行方向をむいているということですね。
こんな感じ。
想像通りでしたか?
でも、意外にも違った持ち方をする方って多いんです。
街中で見る間違った持ち方
私がよく見かける間違った持ち方はコチラです。
わかりますか?
長い方の持ち手を前方にしてしまうんですね。
これが意外に多い。
中には病院できちんと指導を受けたにも関わらずこういう持ち方をする方もいらっしゃいます。
では、(×)の持ち方がなぜ良くないのか?
(細かく言うとテコやベクトルの話になるのでここでは割愛します)
正しい持ち方だと、杖の中心より後方に力がかかるので支える力が釣り合います。(バランスが取れる。)
しかし、(×)の持ち方で杖に力をかけてしまうと力の釣り合いが取れていないので矢印の方へ崩れてしまいます。
常に前にもたれるように杖をついて踏ん張るのであればバランスが取れなくもないですが、非常に不安定であるため個人的にはオススメしません。
こういう持ち方の原因としては歩き方など様々な要因があると思いますが、まずきちんとした高さに設定することが大切だと思います。
杖の高さを合わせる
杖の基本的な高さ設定は以下の通りです。
(杖を前方について合わせる:15〜20㎝ほど)
高さ設定の基準としては以下の通りです。
(正式な表現ではありません)
・足の付け根
・肘が軽く曲がる程度(コチラを重視)
専門的にいうともう少し細かい表現になるんですが、一般的には上記のような認識で問題ないと思います。
なぜ後者を重視するかというと、背中が曲がっていたり猫背が強い方の場合は前者が当てにならなくなるからです。
また、計算式も広く使われています。
身長 ➗2➕3 = 目安の高さ(㎝)
※外出することの多い方は靴を履いた状態で調整することをオススメします。
あとは自分が使いやすいように微調整をしてしっくりくる高さに決めてください。
さいごに
いかがだったでしょうか。
杖って意外と奥が深いんです。
以前、杖用の福祉用具開発に携わった際、
「あれって危なくないですか?」みたいな感じでメーカーの方からもコチラの質問をいただきました。
もしみなさんの周りで危険な持ち方をしている方がいればぜひ教えてあげてください。
それでは!👋