今回は私の経験から個人的に感じたことをお話していきます。
私の簡単な経歴についてはコチラをご覧ください。
さて、10数年PTとして活動してきた私ですが気づけば海外での活動を定期的に行なっています。
カンボジアの施設見学に始まり、ネパールでのNGO、現在はマレーシアでPTを実践しています。
そんな私ですが、学生や20代のPTさんから良く質問をいただきます。
実際に「理学療法士 海外 働く」なんて調べると似たような情報と御大層な志が出てきてうんざりする人も多いでしょう。
初めに言わせてもらえば、私はなにも「世界中のリハビリを必要とする人々を助けたい」とか「自分の生活を捨てて慈善活動に取り組むんだ」みたいな人種ではありません。(これは20代の頃に資本がなければ〜っていう具合に諦めました)
どちらかといえば好奇心と現在の居場所で自分の能力が力になるなら届けたい、といった想いが強いです。
なので日本で活動してようが外国で活動してようが感覚的にはあまり変わりません。
私の今は「現在住んでいるのがマレーシアだから」というだけで、それ以上でも以下でもないのが正直なところです。
なぜ海外で活動をするのか
今現在の心境としては、
・環境や文化の違いから勉強になることが多い
・外国に住むという選択肢を得たい
・英語の能力を伸ばしたい
といった具合です。
新人の頃はリハビリを満足に受けられない人にサービスを届けたいと大層な考えを持っていましたが、いろいろと経験する中で自分には向いてないなと感じ方向転換しました(諸々の理由についてはそのうちまとめようと思います)
現在は好奇心を満たしたいという欲が勝っているように感じます。
違う土地、文化の中で生活をしたい。その中で自分の手が届く範囲でセラピーを提供したいといった具合です。
なので、前述したように海外でPTをしているといっても自分の感覚的には日本にいる時と同じです。
どうやったら海外で活動できるのか
一般的に言われている方法は以下の4つかと思います。
①青年海外協力隊(JICA)に参加する
②海外インターンサイトでボランティアに参加する
③海外の大学もしくは免許更新試験を受け、現地の資格を取得する
④日本人向けの海外求人から就職する
①に関してはほとんど場合2年程の任期が設けられており、英語教育や生活費の支給などもあったかと思います。(私自身は参加したことがないので詳細はHPで直接ご確認ください)
組織のコンセプトと私自身の想いとが異なるように感じてしまったため、自身の参加は早々に選択肢から外していました。
②については海外インターンシップを提供している会社がいくつかあります。
数週間から数ヶ月単位でプログラムを選択できるパターンです。
ただ、全て自費での参加であり報酬を得られないのできちんと貯金はしておかなければいけません。
また、国によっては事前の説明と異なり日本語サポートなど一切期待できないため最低限の英語能力と多少の海外経験は必要だと思います。
私が過去に投稿したネパールでの経験はこういった海外インターンシップに参加した時のものです。
「理学療法士 海外インターン」と検索すれば見つかります
海外移住が夢で、お金と時間があるのなら③の選択肢が最も確実なのかなと思います。
既に日本で資格を持っているのであれば英語試験のみで現地の資格を得られる国もあります。(私の知る限りではイギリス)
求められる英語スコア(IELTS)は非常に高いですが、自身がイギリスの語学学校へ行った時の肌感としては半年から1年ほどしっかり勉強すれば十分届くのではないかと思います。
ただ、免許を取得している学校にもよるので自身がその更新可能な対象であるかは確認する必要があります。
免許の現地書換え制度については国により全く異なるため、それぞれの国に設けられている協会や政府に問い合わせてみましょう。
④については、稀に日本人向けの求人も出てきます。
日本人移住者が多い地域ですが、私が確認できたところでは中国やカンボジアなどのアジア圏です。
ただしほとんどがストレッチトレーナー的な立ち位置だったと記憶しています。日本で言うところの機能訓練士なのかもしれません。
2023年現在はあまり見かけなくなってきたので減っている印象ですね。
また、海外進出している日本医療法人の求人もたまに出てきます。
今後、増えていくのかはわかりませんがチェックしておくのもおすすめです。
余談ですが、こういった法人の担当者(PT)より誘われて一度お話を聞きにいったことがあります。
出会って数分でマウントを取ろうとしてきたので「この人と仕事はムリだな」と思いモヤモヤしながら帰宅した思い出があります。
私の場合(現在)
私は現在、マレーシアのNGO(小児デイケア)で活動しています。
私の場合、JICAに所属している訳でもインターン会社を利用している訳でもありません。
自身で現地のNGOへ直接メールを送りまくり、返信があった施設の方と交渉を重ねました。
20代前半の頃はインターン会社を利用しましたが、その時に大したサポートもなく「これって英語話せたら高いお金払わずに自分で来れるな」と思ったからです。もちろん門前払いされることもありますが、根気よく続ければ受け入れてくれる場所はきっと見つかります。
割と強引な手法なのでここで書けないことも多々あります。
興味のあるPTの方はインスタで直接DMをいただければお答えします。
やっぱり英語は必須?
私は必須だと思います。
たまに日本でも日本語が話せない患者さんを担当したPTが「大事なのは気持ち!ボディランゲージでもなんとかなる」と言ってたりします。
これは患者さんの努力の賜物で本人の成果ではありません。
海外旅行ではそれでもアリですが、仕事だと完全にアウトだと思います。
実際にあまり英語が話せない状態で行くと現地のスタッフからは「何しに来たの?」って感じで見られます。
日本人発音でも構いません。きちんと自分の意思が伝えられ、聞き返してもいいので相手の言っていることを最低限理解する程度の英語力は必要だと思います。
ちなみに私が初めて海外の施設で働いた時、あまり英語がわかりませんでした。当初は露骨に情報を伝えられなかったりカルテの閲覧を禁止されたりと散々な目に遭いました。数週間後にはなんとか解消し、活動に参加できましたが苦い思い出です。
浮き彫りになる必要な能力
言葉も文化も異なる現場では、信頼関係を構築するのも簡単ではありません。そのため、PTとしての能力がより厳しく評価されるように感じます。
「日本でも結果が評価されるのは当たり前だ!」と言われそうですが、単純にPTスキルと向き合って取り組む場面は意外と少ないのではないでしょうか。
仕事以外でも人間関係が構築される同僚や患者との人間関係、言葉によって与えられる安心感や理解、これらが十分に通じない現場は想像よりも勝手が利きません。
(もちろんこれらもPTスキルではありますが、ここで言っているのは包括的な意味合いではありません)
こうした中で、PTとして自分に足りていないモノが浮き彫りとなることは貴重な財産となります。
また、国が違えば考え方だけでなく対象者の生活背景も全く異なります。十分な職種がいないケースも多く、PTとしての範疇を越えた目線が求められます。これは平均寿命が伸び、生活や家族構成の多様化が進む日本にも当てはまるのではないでしょうか。
私が学生の頃は「PTは専門性を高めましょう」なんてスローガンが声高らかに叫ばれていました。
もちろんこれは大事なことですが、PT目線しか持たない「モノを知らない大人」は時に無力です。
「らしさ」は時に視野を狭くし、提案の根っこにエゴがへばりつきます。
そういった意味では異なる状況(文化や言語など)で活動することは様々な気づきを与えてくれます。
できない理由を探したら身動きとれません
「海外で活動してみたいけどなかなかタイミングが…。」
相談を受けると頻繁に耳にするセリフです。
副業の相談を受けるときもそうですが、とりあえず好奇心のままに動かなければ始まりません。
周りで「いつかは海外でも活動したい」や「いつか英語を駆使して働いてみたい」と言っていた人は誰も実現していません。
私が思うに、「いつか」は訪れません。
何かを始めるとき、私が大事にしているのは「できない理由探しはしない!」ということ。
「キャリアが〜」、「給与が〜」、「任されてる仕事が〜」「研究が〜」とリスクを心配する場合も多いでしょう。
そんなときPTの方へよく言うのは、
「別に大した出世は見込めない」、「この時代、勉強なんてどこでもできる」、「数年離れたって給与に大した影響はない」、「あなたがいなくても組織は痛くも痒くもない」、「結局は今の居心地が良いだけでは?」と言うことです。
できない理由を探すとキリがありませんし、大半は恐怖心を正当化している場合が多いように感じます。
本当に取り組んでみたいのなら、前のめりに行動する以外に道はありません。
私の場合は考えすぎるとビビってしまうので、「ビビる前に行動」します。良いか悪いかは知りませんが、現状はそれなりに楽しめています。
さいごに
今回もまとまりのない殴り書き文章を読んでいただきありがとうございました。
あくまで私個人の経験をもとに私的な意見をお話しました。
英語でのコミニュケーションや異文化での生活はシンプルに面白いです。
私が初めて海外へ行ったのはPT1年目の頃でした。学生の頃、友人の留学や海外旅行は別世界の出来事と割り切っていたのを覚えています。
当時できなかったことを大人になってから楽しんでやっているという訳です。
もし、興味があるけど悩んでいるという方はインスタグラムにてDMをください。可能な範囲でお答えさせていただきます。