今回は体幹(たいかん)についてお話します。
よく、セラピストからこんなこと言われませんか?
体幹の働きがまだ少し弱いですねぇ
体幹が原因で姿勢が崩れやすいですね
などなど。
なんとなく大事なとこなんだっていうのはわかりますよね?
これがイメージで理解できると、なんで大切なのかよくわかります。
しかも、健康な大人の方にも必見な分野なんです。
健康な大人と言いましたが、体幹だけに限って言えば「不健康」な方は多く見かけます。
私自身もそんな「体幹不健康者」でした。
新人の頃に気づき、普段の姿勢から見直して腰痛がなくなったのをよく覚えています!
そもそも体幹ってどこ?
体幹(たいかん)とは
コトバンク より引用
つまり、手足を除いた部分を「体幹(もしくは躯幹)」と言います。
PTがこの言葉を扱うとき、手足と頭を除いて語られることが一般的です。
※本記事でも、体幹をお話する際は”頭部を除いた体の中心部分”を体幹とさせていただきます。(下図の青線部分)
この部分には肋骨(あばら骨)や背骨、骨盤などの骨をはじめ、肺や心臓などの内臓、筋肉や太い血管など生きていく上では欠かせないものがたくさんあります。
テレビやスポーツの現場でも、よく体幹のエクササイズなどが紹介されているのでなんとなくのイメージはついているのではないでしょうか。
運動や動作に欠かせない体幹
なぜ体幹が大切なのか。
おおまかに言えば、運動や動作(寝返りや歩行など)を行う上で欠かせない”バランス機能”を担っているからです。
それには特に下腹部の筋肉による働きが大切とされています。
これにより、私たちは身体の重心を定めています。
身体を動かすとき、私たちの重心は常に移動しています。
つまり、体幹がうまく機能することで、しなやかな重心移動を行いバランスの良い動きができるというわけです。
さらに、動作を行う際、一番初めに働くのがこの体幹です。
それが不安定になれば、それだけ手足の動きも妨げてしまうんです。
イメージしやすいように
手足=木 、体幹=地面と例えてみましょう。
木(手足)が安定するには地面(体幹)の安定が必要不可欠となります。
生後の運動発達で見える体幹
この体幹機能、もちろん生後からたくさん働いています。
首がすわる、寝返りをするなど体幹機能が発達することで実施可能になっていきます。
座る姿勢を見てみましょう。(下イラスト)
座り始めの頃は、その姿勢を保つことで精一杯です。
とてもじゃないけど重心を移動させ、バランスを保つことができません。何かに手を伸ばしたくても上手に伸ばすことができず、無理をするとコテンと倒れてしまいます。
しかし、7ヶ月ほどして体幹が安定して腕を伸ばすことができるようになります。
ちょうど前述した”木と地面の話”に似ていることがわかると思います。
動作にとって欠かせない”体幹”!
動きの基部になる場所だからこそ、リハビリをする上でも頻繁に話題に上がる部位なんです。
まとめ
今回はこれまで行ったセミナーで、質問が多かった”体幹”について、簡単にではありますがお話させていただきました。
よく指摘される部分ですが、その理由がイメージできると自宅で行うエクササイズも少し見え方が変わるのではないでしょうか。
余談ですが、体幹は老若男女問わず体にとって大切な部位となります。
不良姿勢は肩こりや頭痛だけでなく、肥満や高血圧も助長します。
ぜひ大人の方も普段の姿勢から気をつけていただきたいと思います。
成人向けの座位姿勢についても記事を書いているので、よろしければご覧ください。↓