今回は題名の通り、SNSなどで多くの医療職がおすすめしている参考書などについてお話します。
特に学生や新人の方にとって、これらは指針にもなるし無駄なお金を使わず良いものを選ぶツールとして役立つとは思います。
けれど、それを鵜呑みにしすぎることって実は不利益も多いというのが私の考えです。
ひねくれ者である筆者による目線だからこそ伝えられることもあると思います。
ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
今回は完全に私見です。
あくまでも僕の一意見として聞いてもらえたらと思います。
なぜ鵜呑みにしてはいけないのか
簡単に言えば、
・発信者を信頼できる根拠が乏しい
・判断基準を他者に委ねてしまう
・本当の意味でアナタを思っての発信とは限らない
・自己満足に陥りやすい
ということです。
「良いものなら別に良いんじゃない?」と聞こえてきそうですね。
でもこれが実は要注意だと感じます。
なぜなら、良いものって割と人それぞれだから。
それに、臨床において参考書を最初から最後まできちんと読んでる人って割と少ないです。(発信者は否定するでしょうが)
日々の臨床の中で必要なところを部分的に読んでいるケースは多々あります。むしろその方が賢くて、様々な知識を自分の中で統合させていく人の方が多い印象です。
正直、“いや!自分は隅々までまできちんと読んでます!”と言う人がいたら仕事できなさそうだなって感じます。
もちろん半分趣味で楽しく読むことは自由ですが。
つまり、きちんと読み込んだかも怪しい可能性があるため、あくまで参考程度にして最終判断は自分で行って欲しいと言うことです。
自分で探して、時にはハズレと感じる本にも触れて欲しい。
そうしないと、あなたにとっての判断基準が形成されません。
「人から勧められないと、どの本が良いものかわからない」なんてケースに陥ってしまいます。
発信者への信頼度はもちろん、その意図も考えて欲しい。
そもそもどうして「おすすめ書籍紹介」なんてするのか。
中には最新の書籍をババっと紹介している人もいますよね。
出版社の方や大学・専門学校教員ならともかく、現場のPTが新書出版のたびに多くを読み紹介するまで理解できるのかと言われれば疑問です。
お世辞にも高給取りではないし、むちゃくちゃ賢いわけでもありません。
なぜそんなことを行うのか。
そんな意図も頭の片隅で考えながら見る必要があるのではないでしょうか。
発信者は本当に信用できるのか
そもそも何を基準に発信者を信用していますか?
フォロワー数?イイねの数?動画の雰囲気?
これらの多くは現場の技術や知識とは全く別のスキルによって構成されています。
一見、ものすごい熱弁してるし表情も真剣!でも言ってることはむっちゃ普通で浅いなんて場合は多いです。
これ、○mazonの紹介とまえがき読んだだけじゃない?みたいな。
そこで、私が考えるチェックすべき項目は
・実体験を伴った内容か
・良かった点が具体的か
・ブログなど、考え方に共感ができるか
です。
くれぐれも、表面上の情報と雰囲気を頼らないよう注意してください。
何を目的に発信しているのか
発信者の目的がいつもあなたのためを思ったものとは限りません。
良い例が、過剰に○amazonの広告が貼り付けられてるもの。
つまり広告費が目的で前述のように内容が乏しいものです。
もちろん、内容が本当に参考になるものは別に問題ありません。
ただ、大した紹介にも参考にもならないけど広告だけはしっかり貼ってあるものは質が高いとは言えません。
投稿数と広告費を稼ぐ目的で作られている可能性が高いので注意が必要です。
また、正直言うと書籍紹介って楽なんですよ。
ネタがなくなるとまず思いつくのは「おすすめ書籍紹介!」みたいなイメージです。
ある程度の経験があると本の紹介文や立ち読み程度で大まかな概要を知ることができ、それっぽく記事を書くことができます。
過去に読んだものであればなんとなくの記憶で語れますしね。
なので、前述した信頼できるかのチェックポイントを参考にして欲しいと思います。
彼らがあなたから奪っているもの
それは“経験と機会”です。
自分に合う参考書を見つける、必要な情報を引き出す、新たな分野に触れる、といった事が圧倒的に減ります。
ただしこれは発信者のせいというよりは受取手の問題によるところが大きいと思います。
そのせいで、自分にとって良いものを識別したり、調べる手法が磨かれず、知識にも偏りが生じやすくなるのではないかと感じます。
遠回りしたくないという気持ちはよくわかります。
ただ、その中であなたが得るものって実はものすごくたくさんあります。
また、書籍には初学者向けなものから専門性の高いものまであります。
自分に合ったものを選ぶ事ができず、途中で読まなくなってはせっかくのお金がもったいない!
この判断基準は自らの手で雑食的に触れないとなかなか磨かれません。
むちゃくちゃ専門書っぽいの読んでるけど話をしてみたら全然理解できていないように人にはならないでください。
近年の若手を取り巻く環境
以前、教員をしていたときに衝撃だったこと。
それは、
「情報量が多い!」
「情報へのアクセスが簡単!」
今ではネットで検索すれば大体の情報は出てきますし、多くの学校で電子ジャーナルサイトが登録されているので数ある医学雑誌も検索すれば欲しい情報へ容易にアクセスできます。
これは画期的ですし、効率よく学習できるため個人的にも大好きです。
また、SNSやYouTubeなどでは現役の専門職が様々な情報を発信しています。
良いことばかりのように思えますよね。
でも、次に気づいたのは、
「最終学年なのに調べるの下手すぎない?」
ということです。
これは自分の勤務した学校に限らず、実習指導をしていたときにも感じました。
私の印象としては、
・検索で出てこないと手詰まる
・本の中から探し出すのがやたら遅い
・そもそも本から探すことをしない
・授業や実習で履修すること以外の知識が少ない
という人が非常に多い。
当然ですが、成績が下位の人ではこの傾向がよく見られました。
多くの学生がネット、SNS、YouTubeなどのツールを用いて問題解決のため最短ルートを目指すケースが多いです。
それ自体は全然悪くない!!
中にはそんなものに頼るな!とか言う前時代的な人もいるが、私はそうは思わない。
むしろ身の回りにある様々なツールを使いこなす能力は必須だと考えています。
採用した人がスマホもパソコンも全然使いこなせません。ってなったら困りませんか?
現代の情報収集において動画や音声メディア、SNSはそれぐらい大きなものになっていると思います。
ただ、彼らは知らない。
“寄り道の面白さ”を。
効率よく最短で行うことは、時にあなたが得たかもしれない経験や知識を逃す結果となるかもしれません。
効率ばかり考えるのはやめても良い
効率重視はケースバイケースです。
仕事をする上では絶対に必要です。
時間を効率悪く、必要以上に時間をかけることに酔って効率を上げないなんて言語道断!
ただし、前述したように勉強に関して言えば勿体無いこともあります。
意外なところから広がる可能性を自ら閉ざしてしまうからです。
新しい視点、振り返って気がつくものは遠回りの中にたくさん転がっています。
遠回りから得られるもの
私自身も呼吸理学療法について勉強する際、医学書だけじゃなく一般書の“ヨガ入門“や“睡眠の質向上“的なものが参考になったりしたこともあります。
また、読んでみたら欲しい情報はなかったけれど図やイラストが非常にわかりやすく参考となるものに出会えたり。
他にも、整形外科の知識が小児分野で役立つなんてこともあります。
結局はどの分野でも人の身体にまつわることですよね?
自分の考えとは裏腹に、それらの知識が繋がり知識の幅が広がるなんてことは往々にしてあるんです。
近年では「自称〇〇専門PT」なんて人もいますが、現在のリハ職にはそのような医師のような制度はありません。(個人的に認定制度はそんなレベルには至っていないというのが私の考え)
自称専門PTに毒されると、自分の得意な分野の勉強以外は疎かになりやすい。
食わず嫌いせず、若手のうちは雑食的に様々な知識を吸収しても良いのではないでしょうか?
数年後に振り返った時、きっと役立つ引き出しがたくさんできていると思います。
まとめ
まとまらずダラダラ書いてしまいました。。
言いたいことは、楽しんで遠回りをして欲しいということです。
専門性が叫ばれていますが、偏った不器用なセラピストにはならないことをお勧めします。
もちろん、偉そうに言っている私も日々勉強!
お互い楽しんで頑張りましょう。
それでは👋