【医療的ケア児とは】コトバの意味と対象児増加の理由を知っていますか?

日 常

最近では「医療的ケア」という言葉が一般的に聞かれるようになりました。

しかし、その言葉の意味についてはなんとなくのイメージになってしまう方も多いかもしれません。
実際、医療職の中にもきちんと説明できない人がちらほらいます。

今回はあらためてその言葉の意味と対象となる子が増えている理由について厚生労働省から出ている情報を元にお話します。

まさ
まさ

余談ですが、国が発行する資料ってホントに読みづらいですよね。

今回はそんな内容をできる限りわかりやすくお話します。

(医療的ケア児支援法についても実際の資料を読んでも良くわからないと言った声をいただきます。)

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医療的ケア児とは

以下、厚生労働省の資料からの引用文です。

【医療的ケア児とは】

日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケア(人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為)を受けることが不可欠である児童(18歳以上の高校生等を含む。)

厚生労働省資料より引用)

つまり、「医療的ケア児」とは普段の生活の中で医療機器を使用したケアが必要となる子どもたちを指します。

例えば、人工呼吸器胃瘻(いろう)を使用したり、痰の吸引経管栄養(お腹の穴や鼻のチューブを通して胃に直接栄養を送り込む)などのケアが必要な状態です。
気管切開のように空気を取り入れやすくするため、喉に管を通す処置も含まれます。

【医療的ケアと医療機器が必要例】

気管切開部の管理、人工呼吸器の管理、吸引、在宅酸素療法、胃瘻・腸瘻・胃管からの経管栄養、中心静脈栄養等

(厚生労働省資料より引用)

さまざまな例が挙げられていますが、要するに

何かしらの医療機器を用いて身体機能をカバーしている状態ということです。

歩行可能な子から体を起こすことが困難な子まで状態はさまざまです。


当然、リハビリ専門職にも幅広い知識が必要となります。
従来のように運動面(筋肉や関節)の知識だけでは十分なリスク管理ができないからです。

個人的には、運動・呼吸・循環と総合的に見ることは大前提とし、使用している医療機器についても把握しておかなければいけないと思います。(目的や基本的知識など)

まさ
まさ

こうやって見ると、その対象範囲がとても広いことがわかります。

新しい分類としての「医療的ケア児」

「医療的ケア児」という言葉は新しい分類として取り上げられることが多いですが、それはなぜでしょうか。

これは従来、障害判定に用いられてきた「大島分類」では十分に考慮されていない領域だったからです。

(大島分類)

社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会HPより

この分類によると医療的ケアの負担が大きいにも関わらず、従来の重症心身障害児の範疇(上の図における1〜4)に入らず、さまざまな福祉制度を受けられないケースが出てきます。

例えば「医療的ケアが必要な歩行可能な子」が、分類上は当てはまらないことになります。

そうなると国や自治体の支援を十分に受けられません。

そこで、新たに「医療的ケア児」というカテゴリーが生まれました。

医療的ケア児支援法

医療的ケアの必要性を有し、重症心身障害児に該当しない子どもたちへの法整備が叫ばれるなか、2021年6月11日、衆議院本会議で医療的ケア児支援法(医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律)が可決されました。

厚生労働省による法の基本理念は、

1 医療的ケア児の日常生活・社会生活社会全体で支援
2 個々の医療的ケア児の状況に応じ、切れ目なく行われる支援
医療的ケア児が医療的ケア児でない児童等と共に教育を受けられるように最大限に配慮しつつ適切に行われる教育に係る支援等
医療的ケア児でなくなった後にも配慮した支援
医療的ケア児と保護者の意思を最大限に尊重した施策
5 居住地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられる施策

厚生労働省資料より引用

これら基本理念や立法の目的を元とし「国や地方公共団体」、「保育所や学校の設置者」にさまざまな責務を課しています。

詳細は厚生労働省の資料をご覧ください

医療的ケア児が増えていると言われるが

新生児医療の進歩により、以前は困難であった心臓や消化管などの先天性疾患や小児期疾患の子どもたちの救命ができるようになりました。

それに伴い機器も発展し、医療機器を使用して在宅生活が送れるようになっています。

それではR1年までの推移を厚生労働省発表のグラフで見てみます。

全国の医療的ケア児(在宅)は推計で約2.0万人と言われています。

リハビリにおける今後の課題

ここからは個人的な考えをお話しようと思います。

リハビリってたくさん体を動かしますよね?
おそらく医療職のなかでも一番動かすんじゃないかと思います。

前述したように、医療的ケアが必要ということは当然リスクも抱えています。

「身体を動かす(運動する)」ということは心臓に負担をかけるだけでなく、痰の移動を促します。また、胃瘻や気管切開部にも負担をかけやすいことになります。

想像してみてください。
リハビリの担当が、「運動発達はわかるけど呼吸や心臓のことはサッパリです!」や「医療機器のことはほとんど知りません」なんて言い出したら怖くないですか?

さすがにここまではっきりと自己申告する人はいないと思いますがw

「医療的ケア」という概念は、その対象がとても広範囲です。
従来のように「骨」「筋肉」「運動」だけの知識では絶対に不十分だと思います。

例えば、
・呼吸や心臓の状態を評価した上で体調はどうなのか
・人工呼吸器のアラームに対して、何が理由で鳴っているのか
・医療機器がどんな理由で使用されているのか
・状態が悪い時、身体がどんなサインを出すのか

など、方法論としてのリハビリ技術以外の医療知識が必要となります。
上記のような全身状態把握をして、はじめて「さぁ!リハビリ始めましょう」とならなければいけません。

非常に残念な話ですが、「これらが不十分に感じたから担当を変更した」なんていうお話は頻繁に聞きます。

この業界における早急に修正すべき課題です。

まさ
まさ

「不安はあるけど担当変更なんて言い出せない」という方もいるかもしれません。

やや無責任な言い方かもしれませんが、ぜひ遠慮なく声に出して欲しいと思います。
間違いなく本人の責任ですし、それで子どもたちやご家族がリスクを抱えるって一番ダメです。

きちんとリスク管理を意識すると、より安全自信を持ってリハビリ介入をすることができます!
新人の方であれば、困ったときは口に出して周りの助けを求めるのも大切だと思います。

まさ
まさ

ちなみに私は新人の頃、先輩や上司だけでなく他職種にも聞きまくってましたw(現在もですが)

機械のことは臨床工学技士さん、ケアのことは看護師さん、病気のことはお医者さん。

口に出さずその場をやり過ごすと必ずどこかでツケが回ってきますよ。


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それではまた👋

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