「排痰のために、身体を起こすようにしてください」
こんなことを言われたことはありませんか?
痰を出すために姿勢を変えることはとても大切なことなんです。
要は、姿勢を変えることで空気をたくさん肺に取り込み、痰を出しやすくなります。
痰が出るメカニズムについては過去の記事をご覧ください。
それでは、なぜ姿勢と取り込む空気の量が関係するのでしょうか?
今回はその理由をわかりやすくお話します。
身体の中には内臓がいっぱい
身体の中にはたくさんの臓器があります。
胸には肺や心臓、お腹には肝臓や胃、腸など多様な臓器が収納されています。
種類だけ見ればお腹の方がたくさんの臓器を抱えています。
私たちが呼吸をする時、肺の底側にある横隔膜と呼ばれる筋肉が動くのをご存知でしょうか。
横隔膜はドーム上に広がり、胸とお腹を隔てています。
つまり、深い呼吸のためには、この横隔膜が十分に動く必要があるんです。
姿勢の変化は体内環境を変える
姿勢が変われば体内の環境も大きく変わります。
立ち上がって目眩(めまい)を感じたことがあるでしょう。
急に立ち上がることで、十分な量の血液を頭に送ることができず、あのような症状を引き起こします。
つまり、体内も重力の影響を受けているのです。
それでは【立っている姿勢から仰向け姿勢への変化】によって、肺が直面する状況を見てみましょう。
どうでしょうか?
お腹の臓器が下から肺を押し上げてしまいます。
問題は内臓だけではありません。
“血液”も関係します。
立っている時はお腹や足に集まっていた血液が仰向けになることで肺に集まっていきます。
すると、肺の血管がパンパンになり空気を入れるスペースを邪魔してしまいます。
つまり、ずっと仰向けで過ごすというのは“呼吸”にとってあまり良いこととは言えません。
このように、姿勢によって肺への空気の入りやすさ、空気が入る部位が変化します。
特に痰が多い場合は、必要に応じて姿勢を変えることで排痰を促すことになります。
深い呼吸はメリットだらけ!
「深い呼吸」ができると良いことがたくさんあります。
リハビリ分野のソレは、いわゆる“排痰”です。
つまり、肺に溜まった痰を体外に排出することに大きなメリットがあります。
それだけではありません。
実は、健康な方にとっても“深呼吸”はメリットがたくさんあります。
おおまかに言えば、
①睡眠の質が向上する
②リラックス効果がある
③リンパの流れが良くなる
④集中力や緊張緩和の手助けとなる
などが挙げられます。
これについては過去の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
いかがだったでしょうか。
人から単に言われたからやるのではなく、その理由がわかると気がつくことも増えます。
ご参考になれば幸いです。
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